ブルーミントン動物病院マーク 杉並区西荻南2-22-11 TEL. 03-5941-9711

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病気の予防と早期発見
ペットの病気は、なんといっても予 防と早期発見が肝心です。そのためにも、病気についてある程度知っておくことも飼い主さんの大事な役目です。そこで、犬や猫たちがかかりやすい病気について、少しご説明します。ただし、 自分だけで診断したり、治療しようとするのは大変危険です。「病気かな? 」と思ったら、動物病院に相談しましょう。

※グレーのタブをクリックすると、病気についての説明が開閉します。

犬のかかりやすい病気

甲状腺機能低下症
 甲状腺で産生・分泌されるホルモンの欠乏により起こる病気で、壮齢から老齢の犬に多く認められます。甲状腺機能低下症は全身に異常の出る病気であるにも関わらず、発見が遅れることが多い病気です。疑わしい症状が見られたら、大きな障害が出る前に早めに検査を受けましょう。

原因

甲状腺そのものの異常によるものと、脳(下垂体または視床下部)の異常から起こるものがありますが、犬では特発性甲状腺萎縮とリンパ球性甲状腺炎(自己免疫反応により甲状腺が破壊される)によるものがほとんどと言われています。また先天性の甲状腺奇形もあります。

症状

甲状腺機能低下症イラスト甲状腺ホルモンがほとんど全ての器官の代謝系に関与している為、様々な症状を呈します。不活発、無気力、元気消失、低体温、耐寒性の低下、運動不耐性、多食を伴わない体重増加、被毛障害(乾燥、落屑、被毛粗剛、ラットテイル) 、皮膚障害(角化亢進、色素沈着、皮膚の肥厚、二次性膿皮症、乾性脂漏)、循環障害(徐脈、不整脈、心筋障害)、眼の障害(角膜潰瘍、角膜への脂肪沈着、ブドウ膜炎、乾性角結膜炎)、運動障害(こわばり、ナックリング、足を引きずる、筋肉の削痩、顔面筋虚弱化、腱反射の低下)、単発性及び多発性神経障害 (下眼瞼及び上唇の下垂)、消化器障害(下痢、便秘)、頚部の腫脹(リンパ球性甲状腺炎の場合)、メスの場合は発情期間の延長、発情周期の欠如、はっきりしない発情、発情出血の延長、不妊、オスの場合は精巣萎縮

血液検査の異常

貧血、高コレステロール血症、中性脂肪の高値、肝酵素の上昇など

診断

臨床症状と血液検査の結果により疑われた場合、甲状腺ホルモンの測定を行うことで確定診断できます。

治療

甲状腺ホルモン剤の服用。また当院では漢方薬による治療も併用し、良い結果が出ています。

猫のかかりやすい病気

猫下部尿路疾患
 腎臓から尿管、膀胱、尿道にかけて尿結石が形成されることにより、血尿や排尿障害などの症状が見られる疾患で、猫には大変多い病気です。また結石以外の原因で排尿障害を起こす場合も含まれます。尿道の閉塞が起こると、尿の排出が困難になることから腎機能が低下し、重篤な場合や発見が遅れた場合は、腎不全等により死に至ることもある恐い病気です。オス猫はメスより尿道閉塞を起こしやすいため、注意が必要です。

原因

尿中に含まれる成分が何らかの原因で結晶化、析出して結石となる場合や、細菌や上皮細胞が核となって結石形成を誘発する場合などがあります。これらには飲水量が少ないことや食餌内容、尿の貯留時間の長いことや、肥満や運動不足も要因となっています。

結石の成分

リン酸アンモニウムマグネシウム(ストルバイト)を主成分にする結石が主ですが、他にも蓚酸カルシウムや尿酸アンモニウム、尿酸などの成分によるものもあり、また混合性のものもあります。

症状

猫下部尿路疾患イラスト 結石形成場所や病状によって異なります。主は膀胱と尿道に形成されるもの。
  • 膀胱結石:膀胱炎を起こし、血尿や頻尿がみられます。無症状のこともあります。
  • 尿道結石: 血尿、頻尿、尿失禁また陰茎をしきりに舐めたりもします。排尿が困難になるとトイレに何度も行って、一生懸命ふんばっている様子がみられます(これはよく便秘だと勘違いされます)。また排尿時に痛みを伴ったり(うなったり)、完全に閉塞すると膀胱に尿がたまることから腹部の膨満もみられます。
  • 腎臓結石:血尿と活力低下、または無症状のこともあります。結石の成長によって腎不全の症状(多飲多尿等)がみられたり、場所によっては水腎症を起こし腹囲膨満も見られます。

検査

尿検査で尿中の結晶や炎症細胞、細菌、蛋白、pH等を調べると共に、レントゲン検査により結石が形成されているかを見ます(レントゲンに映らない結石もあります)。また尿道閉塞が見られる場合や腎臓結石の場合は、血液検査も必要です。

治療

治療は病状と結石の種類により異なります。膀胱炎の場合は消炎剤や止血剤、抗生物質等の投与や、尿のpHを結石ができないような状態に保つ薬、食餌療法等で治ることが多いです。尿道閉塞のある場合は、緊急にその閉塞を解除するため尿道にカテーテルの挿入が必要となります。また腎不全や電解質の不均衡を起こしている場合は、点滴治療も必須で、細心の注意が必要です。内科的に溶かすことが可能な結石の場合は、食餌療法等を行いますが、外科的処置を取らなければならないものもありますし、発見が遅れると死に至る場合もあります。当院では漢方薬を用い、症状の早い改善や、再発防止に効果を出しています。

予防

結石の成分となるものの摂取をおさえること(ドライフードの選択は重要です。マグネシウム、リン、カルシウムなどの含有量に気をつけてください。) トイレを清潔にし、尿を長い時間膀胱に貯め込むような状況を作らないように。 尿が濃くならないようにする為に、飲水量を増やしたり、運動させたり(自発的に飲水するように)しましょう。

犬猫共通の病気

ノミ対策
瓜実条虫イラスト  ノミはかゆみやその唾液によるアレルギー性の皮膚炎を引き起こしますが、直接的な被害以外にも、瓜実条虫症や伝染性貧血などの他の病気も引き起こします。これらの病気の予防のためにも、ノミ対策は早めに始めましょう。

ノミを増やさない様にするお薬:プログラム

ノミの繁殖を阻害するお薬で、犬用は月に一度飲ませる錠剤タイプ、猫用は液状タイプと効果が半年間持続する注射があります。ノミ特有成分にしか作用しないので、身体にも安全です。

身体についたノミを退治するお薬:プログラムA錠

犬や猫についたノミを素早く駆除するお薬です。ノミが気になったらいつでも投与できます。服用後30分から効果が現れ、6時間以内にはノミをほぼ100%退治します。

身体につくノミを退治するお薬:フロントライン

お掃除イメージイラスト 1〜2ヶ月に1度首の後ろに垂らしてあげることで、寄生しようとするノミを退治します。皮膚に垂らすだけで24時間以内に98%以上を退治するという確実・簡単なものです。

 ノミの卵は動物の体から落ち、お部屋で成長しています。身体のノミ対策だけではノミはいなくなりません。ベッドや敷物、部屋の隅々のこまめな掃除と、上記の薬の併用で、早く確実なノミ撲滅が可能となります。
フィラリア症
フィラリア症イメージイラスト  ワンちゃん、ネコちゃんの心臓や肺の血管に寄生するフィラリア症は蚊によって感染します。心臓に寄生してしまった成虫の駆除は、大変難しく危険も伴いますので、早めに予防を行いましょう。
 フィラリアは心臓や肺はもちろんのこと肝臓や腎臓にも障害を起こします。フィラリア症からワンちゃん、ネコちゃんを守ってあげられるのは、オーナーさんの毎月の確実な投薬です。

薬で100%予防

予防薬を、蚊が発生してから(4〜6月)いなくなった1ヶ月後まで(11〜12月)、毎月飲ませてあげることで、100%予防できます。 (当院ではお肉タイプの薬をお出ししていますので、おやつ代わりに投薬していただけます。また、消化管内の寄生虫も駆虫できます。)

こんな症状に要注意!

フィラリア症イメージイラスト 散歩を嫌がる、しつこい咳、元気がなくなる、嘔吐、呼吸困難、うつ状態、痩せてきた

予防を始める前の血液検査

安全に予防するにあたり、血液検査を行います(4〜5月)。 この検査は血液を少し採って、10分ほどで結果が出ます。感染していないことを確認してから予防薬を飲ませ始めましょう。
歯周病
 最近、我が家の愛犬・猫の口が臭い!そんな時は、歯周病の疑いがあります。歯周病を見過ごせば、やがて歯の土台が崩れ、さらに歯周病菌が心臓や肝臓などの内臓に感染を起こします。歯周病は、病気の広がりが口の中だけにとどまらない、恐ろしい病気なのです。

歯は生命を左右する

エネルギーとなる食べ物を体内に取り入れて生きる動物にとって、『口』は、生命維持を左右する大切な器官です。野生動物なら、歯が抜け落ちれば獲物を獲ることができず、死に至りますが、人間に依存する犬・猫は、柔らかいフードを食べ生存する事ができます。しかし最高の道具であり、最大の武器である歯を失う事が、いかに耐え難いことかは言うまでもありません。

歯垢・歯石は細菌の増殖場

歯周病イメージイラスト歯に付着した食べ物のカスは、「唾液」によってある程度取り除かれます。しかし、唾液は役立つばかりではなく、唾液中のねばねばした物質が歯の表面に付着すると、いわゆる『歯垢』の原因となります。この歯垢中の細菌こそが歯肉に炎症を引き起こし、口臭の原因となります。そして、歯垢はわずか数日で『歯石』となります。 細菌はまず歯肉をむしばみ、『歯肉炎』になります。さらに歯を支える歯根膜、歯槽骨まで破壊される『歯周炎』へと炎症が進行します。この状態になると、歯が抜け落ち、弱くなった顎の骨が折れやすくなります。特に、小型犬では下顎の骨折も少なくありません。

歯周病は口の中だけではとどまらない

歯肉炎・歯周病に進行すると、細菌が血管から血流に乗って心臓や腎臓、肝臓、肺にまでたどりつき、内臓疾患を併発します。妊娠中の母犬なら、早産の要因ともなるのです。人では、歯周病菌が血管内に入ると血栓を作りやすく、心筋梗塞の原因にもなります。

歯磨きで、歯周病にグッドバイ!

歯周病になった場合、一度付いてしまった歯石はなかなか取れませんから、動物病院で歯垢・歯石を除去します。そして、炎症を抑える治療を開始します。予防としては、子犬・子猫の時から、歯磨きの習慣をつける事が何よりも大切です。
歯周病イメージイラストまずは、遊び感覚で口に手を入れ、口を触る事に慣れさせましょう。次に湿らせたガーゼを指に巻いて、なでる程度に歯列をやさしく擦ります。だいぶ慣れてきたら、小さな歯ブラシで磨いていきます。歯垢を付き難くできるものを使用すると、なお良いでしょう。最初、慣れないうちは上手く歯ブラシができないかもしれませんが、根気よく続ける事が大切です。

歯垢は毎日付着し、歯石もわずか数日で固着します。年と共にたまりやすく、また細菌感染への抵抗力も落ちていきますから、若いうちからの歯磨きを習慣付けましょう。動物の健康は口・歯から。小さいうちから歯磨きを。遊び、スキンシップを兼ねて、歯磨きの習慣を身につけましょう。
子宮蓄膿症
 子宮蓄膿症は命を落とす可能性の高い病気ですので、早期発見そして早期治療が必要です。 また避妊手術を行なえば完全に予防できるものです。行なわない場合は、発情後の2ヶ月間位はこの病気のことを頭に入れ、体調の変化に気を配ってあげましょう。
子宮蓄膿症イメージイラスト  子宮蓄膿症とは子宮内腔に膿汁が貯留する子宮の急性または慢性の化膿性疾患で、膿汁からは大腸菌等細菌が検出されます。感染菌は子宮内に留まりますが、エンドトキシン(細菌毒素)は血中に入り、全身状態の悪化を引き起こす恐い病気です。犬・猫以外に兎、ハムスターにも発症します。

原因

発情後の黄体期には、黄体ホルモンにより子宮内膜の増殖が起こり、また感染に対する防御能が弱くなります。この時期に膣からの感染が起こると、子宮内で細菌が増殖し膿汁貯留を引き起こします。黄体期のホルモンの影響によるものなので、発情終了後数週間から2ヶ月の間の発症が多くなります。10ヶ月齢〜20歳までの避妊していない雌に発症し、平均年齢は7歳。4歳以下の発症は少ないです。また産歴のないものに発症が多く、しかし長期間出産していない動物にも発症します。

症状

子宮蓄膿症特有の症状とは言えず、また、必ずみとめられるものでもありませんが、食欲低下または廃絶、多飲多尿、嘔吐、脱水、腹囲膨満、体温上昇、陰門の腫大、おりもの(開放性子宮蓄膿症の場合)などがみられます。

経過

  • 1期:子宮壁に嚢疱性過形成がみとめられるが、無症状です。
  • 2期:子宮内に粘液が貯留し、外陰部からおりものがみられます。(ここまでが子宮蓄膿症前段階)
  • 3期:子宮内膜には嚢胞性増殖がみとめられ、急性の子宮内膜炎が起こり、外陰部からは膿性のおりものが排出されます(開放生子宮蓄膿症の場合)。元気がなくなり、食欲不振がみられる急性期となります。
  • 4期:慢性の子宮内膜炎が進行し、子宮筋層の破壊が起こり子宮壁の嚢疱性増殖はみられなくなります。子宮頚管の閉鎖された症例では、子宮は著しく拡張し子宮壁は薄くもろくなります。また卵管から膿汁が腹腔内に漏れ出し致死性腹膜炎を起こす危険も増します。多飲多尿、嘔吐、脱水などがみられ、慢性期から末期となり、治療が遅れると多臓器不全を起こし死亡してしまいます。

治療

臨床症状と血液検査所見の改善処置を行ってから、卵巣子宮摘出術を行ないますが、全身状態が悪い為細心の注意が必要です。術後も厳重な管理が不可欠となります。このように治療しなくても治療しても、そして治療後も、命に関わる危険な病気ですが、当院では漢方薬と免疫力改善薬を用いることで、手術なしでの治療も行い良い結果を出しています。
肛門嚢炎・肛門周囲瘻孔
 肛門の両脇にある一対の分泌腺である肛門嚢が炎症を起こしたり開口部が閉塞することで、膿瘍ができたり、皮膚に穴が開いたりする病気です。犬に発生が多いですが、猫にも見られます。
 肛門嚢の感染を起こさない様に、肛門付近はいつも清潔にしてください。また肛門嚢の定期的な絞り出しも必ず行ないましょう(方法をお教えします)。お家でできない場合はご来院ください。また軟便や下痢も要因となりますから、便の状態も毎日チェックしましょう。

肛門嚢炎

原因

肛門周囲は、便や土によって汚れることが多く感染を受けやすい状態にあることや、また脂腺分泌の増加や、慢性的な下痢、そして小型犬や肥満犬では肛門括約筋の緊張力の低下などによっても起こりやすくなります。

症状

肛門嚢炎イメージイラスト 肛門付近を舐める、または咬む、尾を追いかける動作をする、座る際に不快そうな様子をみせる、 肛門付近を地面にこすりつける、排便時に痛そうな様子をみせる、しぶり、便秘、進行すると膿瘍となり、発熱や食欲低下を示すこともあります。皮膚が自壊すると穴が開き、膿汁の排出と出血がみられます。

肛門周囲瘻孔

原因

肛門周囲の換気が悪く便などの汚物によって湿った状態が続いていると、その部位にある毛疱や汗腺に炎症が起こります。これが進行すると膿瘍が形成され、化膿菌の毒素によって皮膚に穴が開きます。

症状

肛門付近をしきりに舐める、排便困難、便秘、肛門付近を地面にこすりつける。進行すると、発熱、便の失禁、しぶり、下痢、食欲低下、体重減少を起こします。皮膚の穴は多数開き、そこから膿汁が排出されます。穴はアリの巣のようにつながり、さらに進行すると皮下組織や筋肉、そして直腸や腹腔にまで達することもあります。

治療

局所の抗生物質や消炎剤などによる処置や洗浄、そして重症例では全身投与も必要になります。また組織の再生を促す効果のあるものも有効です。当院では漢方薬を併用することにより、治癒を促進させたり、体質改善等にも効果を出しています。
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