ブルーミントン動物病院マーク 杉並区西荻南2-22-11 TEL. 03-5941-9711

地図を開く

コンテンツ枠(天)
季節の健康管理

秋の健康管理

暑かった夏もようやく過ぎて、涼しい秋がやって来ました。ごはんがおいしくて、散歩も楽しい季節です。でも、朝夕は寒くなってきますので、飼い主さんも、ペットくんたちも、風邪をひかないように気を付けて下さいね。夏に消耗した体力を回復し、冬に備えて体力を蓄えるために、食事にも一工夫を!

フィラリアの予防は11~12月までしっかりと!

 フィラリア症は蚊を媒介して犬や猫に感染し、その心臓や肺にフィラリアが寄生することで、それらの臓器、また肝臓や腎臓等にも異常をきたし、死に至る確立の高い恐ろしい病気です。腸内の寄生虫のように簡単に駆虫することができないので、予防が何よりも大切です。

 予防薬を月に一回投与することで予防することができますが、投与する期間が重要。蚊が出始めてから1ヶ月以内に始め、蚊がいなくなってから1ヶ月後までの毎月の投与が必要です。この期間は地域やその年の蚊の出方によって異なってきますが、東京ではフィラリアの感染力がある時期は、5~11月であることが調査の結果わかっています。したがって少なくとも5月から11~12月までの間、毎月しっかり予防薬を飲ませて、初めて完全な予防ができていることになるのです。ですから、涼しくなったからと油断をしないで、もうしばらく続けましょう。

ノミは涼しくなってもいる所にはいる

 みなさんは猫や犬にたかって血を吸っているノミがノミの全てだと思っていませんか? 実はそれはノミのほんの一部なのです。一匹のノミは一回に 40~50個の卵を産み、一生の間に数百から千個の卵を産みます。10日後には孵化して幼虫になり、さなぎになって夏なら3日で成虫になりますが、温度が低くなるとそのまんまで200日も生き延びます。実際にはじゅうたんの裏や家具の隙間、たたみやお庭の草の中などに、成虫ばかりではなく、卵、幼虫、さなぎの状態で潜んでいるのです。生命力が強く、掃除機の中でさえ生き延びて繁殖します。

 ノミはご存知のとおりかゆみやその唾液によるアレルギー性の皮膚炎を引き起こしますが、そのような直接的な被害以外にも、瓜実条虫症や伝染性貧血等の他の病気も引き起こします。

瓜実条虫イメージ

 瓜実条虫はいくつもの体節が集まってできた平たいひも状のサナダムシで、体長が50センチ以上にもなります。瓜実条虫はノミの体内で生まれ、犬や猫がかゆがって体をかんだりすると口からノミが入って感染します。小腸に付着し、虫の体節がちぎれて犬などのお尻から出てきます。

 この体節の中に虫の卵が入っていて、それをノミの幼虫が食べ、またノミの体内で虫が生まれ、それをまた犬や猫が食べるというサイクルになっています。ノミがいればほぼ間違いなく瓜実条虫もいますから、ノミの駆除と共に駆虫も行ったほうが良いでしょう。

猫のワクチン接種はお済みですか?

猫のワクチン接種イメージ

 これから寒くなってくると、猫たちは風邪をひきやすくなります。風邪と言ってもこれは猫を死に至らしめることもある、怖い伝染病です。特に子猫たちには注意が必要です。ワクチンで怖い伝染病から守ってあげて下さい。日本で、現在ワクチンで予防できるのは、「猫伝染性腸炎」  「猫ウイルス性鼻気管炎」「カリシウイルス感染症」「猫白血病ウイルス感染症」の4つ。「猫白血病ウイルス感染症」以外の3つは3種混合ワクチンとして接種します。生後8~10週目に1回、その1ヶ月後にもう1回、あとは年に1回です。接種後しばらく外出は控えましょう。

猫伝染性腸炎

 猫汎白血球減少症、FPL、猫ジステンパーともいわれます。パルボウイルスが原因で白血球の数が激減し、細菌や他のウイルスに対する抵抗力がなくなり、合併症を起こしやすくなります。子猫の場合たいへんに死亡率の高い恐ろしい病気です。パルボウイルスは感染力が強く、人間の服や靴などに付着して間接的に感染することもあるので、室内飼いの猫でも安心はできません。

 熱が出て腸炎を起こし食欲や元気がなくなります。嘔吐や下痢が見られ、水も飲まなくなり、脱水症状を起こし、急激に衰弱して体温が低下します。そのまま放置すれば死亡してしまいます。このウイルスは熱や消毒液に対して非常に強い抵抗力を持っていますので、予防するためにはワクチン接種が必要です。

猫ウイルス性鼻気管炎

 猫風邪といわれますが、ヘルペスウイルスが原因です。猫の鼻水や目ヤニ、よだれ、排泄物などから直接、または空気感染します。パルボウイルスほど強くはありませんが、体力のない子猫や老猫の場合は死亡することもあります。急に元気や食欲がなくなり、くしゃみ、咳、鼻水、よだれ、涙などが見られます。また、口の中や舌に炎症や腫瘍ができて、食欲があっても食べられないこともあります。症状が進行すると下痢が続き、鼻がつまって慢性副鼻腔炎や呼吸困難、気管支炎から肺炎になったりもします。

 このウイルスは神経細胞の中で何年もの間潜伏し、猫の体力や抵抗力が衰えると増殖し、発病することもあります。低温に強く、冬は活発に活動するのでこれから注意が必要です。

カリシウイルス感染症

 これも猫風邪といわれる病気ですが、カリシウイルスが原因で起こる伝染性の呼吸器疾患です。人間の風邪と同じような症状が見られます。猫ウイルス性鼻気管炎とほぼ同じ症状なので、識別が難しいこともありますが、口内炎がひどく、気管支炎、結膜炎、肺炎などに進行することが多いようです。その年に流行するウイルスの型によって症状が違います。ほとんどが病気を持った猫との接触で感染します。

猫白血病ウイルス感染症

 猫白血病ウイルスが原因で、細菌に対する免疫がなくなってしまう病気です。ウイルスはほとんど唾液に含まれていて、猫同士でなめあったりして感染します。生まれたばかりの子猫が感染した場合、100%持続感染になり、発病しやすく死亡率も非常に高いですが、離乳期を過ぎると50%、1歳以上になると 10%と持続感染率は低くなります。猫白血病ウイルス感染症は発病すると死亡率が高く、ウイルスを殺す薬もありません。子猫の感染が問題ですから、母猫にワクチン接種をしておくことと、子猫にもなるべく早くワクチン接種をしておきましょう。

この時期にぜひ健康診断を!

猫のワクチン接種イメージ

 日中は過ごしやすくなり、運動には最適の季節です。ただ、まだ夏の疲れが残っている時期ですし、朝晩はけっこう寒くなりますから、体調には充分注意が必要です。この時期にぜひ健康診断を受けて下さい。スケーリング(歯石取り)や白内障の検査もおすすめです。

 病気は早期発見、早期治療が肝心です。早い時期に治療を始めれば、それだけ早く治る確立も高くなります。伝染病が増えてくる季節でもありますから、ワクチン接種で病気の予防もしておきましょう。

皮膚や耳に異常はないですか?

 夏は皮膚病や外耳炎になりやすい季節です。この夏、ペットくんたちは大丈夫だったでしょうか? 今は涼しくなりましたが、もう一度ペットくんたちをよくチェックしてみて下さい。脱毛したり皮膚が赤くなったりしていませんか? 痒がってはいないでしょうか? 耳も見てあげて下さい。耳垢がないか、赤くなってないか、臭いはどうでしょう? もしも異常が見られるようなら、なるべく早く獣医師にご相談下さいね。

コンテンツ枠(地)
このページのトップへ戻る